買ったのはよかったけれど、引っ越しの時に後悔したもの。

　近ごろ、といっても数か月前くらいですかね。「ミニマリスト」という言葉を聞きました。必要最小限のものだけを所有して、余計なものは持つことをよしとしない考え方で生きる人を指す言葉だそうです。

　メディアは極端な方を選んで取り上げているのだとは思いますが、冷蔵庫もベッドもない。パソコンが１つあるだけの部屋に、床で１つのお皿に盛りつけた食事を食べる姿はなかなかにシュールな映像でした。

　そんな映像を見て便利屋としては「この人は引っ越しがラクだろうなぁ」とついつい考えてしまいます。

　今回は便利屋をしていて引っ越し・不用品処分の際にお客様からよく聞く「買ったのはよかったけれど、引っ越しの時に料金が高くなって後悔したもの」を書いてみたいと思います。

　一昔前の冷蔵庫は大きなものはとても電気代が高くついたので、お一人暮らしの方は必ず小さな冷蔵庫でした。

　それがここ１０年くらいで冷蔵庫の性能が飛躍的に向上し、売り場で小さいものと大きなものが並んでいて、大きなものでも年間の消費電力は2000円しか違いません！なんて説明書きに書いてあったりするものだから、１万円くらい高くても、つい大きい冷蔵庫を買ってしまったという方も多いのではないでしょうか。

　大きな冷蔵庫は当然運び出すのに手こずるので、大手の業者さんが引っ越し見積もりにきて、見積もりしても料金が高くなります。また何年か経っていざ不用品として処分しようとするときに料金の高さに後悔されるパターンも多いです。

　上記の大型冷蔵庫とほぼ一緒の理由です。想像してなかった重さに悩まされて、他の引っ越しは自分たちで出来たけれど、ドラム式洗濯機の移動だけ手伝ってほしいという依頼も多いです。

　ネットオークションを見るとまだまだ使えそうなドラム式洗濯機が安く多く出回っているのも、色々と手を焼かされた人が持て余して出品した人も多いのではないかと勘ぐってしまいます。

　ちなみになんでこんなに重いのかというと、脱水モード時にかかる遠心力で本体が動かないようにするためにはこのくらい（約８０㎏）の重さが必要なのだとか。
　
　縦型洗濯機であれば洗濯物の重心を下の方にして脱水が出来るのでそこまでの重さは必要ないのでしょうが、斜めドラムの形状だとそうはいかないのですね。

　オシャレで性能も素晴らしいのですが結構重量もあり、いかんせん取り付け、取り外しに手間がかかります。またお掃除が大変なのも大きなデメリットだとか。

　年末などにシーリングファンの掃除依頼もよく承りますが、やはり脚立などにのって作業しないと危ないです。また、たいていの場合はものすごいホコリが溜まっています。

　シーリングファンにもホコリの最大積載量みたいなものがあって、載りきらなかったものはシーリングファンを回すたびにお部屋に落ちているということでしょう…

　引っ越し業者から毛嫌いされるイケアの家具。その最大の理由は「組立・分解が大変」ということにつきます。

　インターネットで引っ越しサービスの内容を見ていると「IKEAの家具は対応していません」「IKEAの家具の分解・組立は別途料金がかかります」などの記載がよくあります。

　そもそも買った方は組立時に苦労した、別途組立に料金を払った、などの経験をされたはず。そして引っ越しの時にも料金が高くなるって…IKEAをデザインで選んだのならともかく、安さで選んだなら後悔すること必至です。

　以上、３つが便利屋さんが見た引っ越しの時に「買ったのはよかったけれど、引っ越しの時に後悔したもの」でした。簡単に言えばやはり一人暮らしは一人暮らしのサイズにあったものを揃えた方がよいのかと。

　あまり深くは考えないですけど、家電も「買って終わり」じゃなくて、大きい、高いものは何かの時に高くつくんですね。引っ越し・処分・クリーニング…便利屋の仕事はそれらに密な関わりがあるので、結局シンプルが一番かな、と思います。

　個人的には「持つ贅沢」と同じくらい「持たない贅沢」というものも存在すると思っています。具体的には持たないことによって得られる空間（例えばその空間でストレッチが出来たり）であったり時間（掃除がしやすいので時間が得られたり）であったりですね。

　ミニマリストと呼ばれる方は（聞いたわけではありませんが）そういう豊かさを得ようとされているのでしょうか。そんなことを子供たちが好き放題におもちゃを散らかした部屋で考えた（笑）便利屋でした。

東京都江東区の便利屋です。ファミリー江東木場店では、不用品回収、ゴミ屋敷の片付け、お引越しのお手伝い、遺品整理、エアコンの取り外し・回収、その他さまざまな便利サービスを提供しています。是非、一度ご利用ください。