時間制のお掃除 汚れを落とすには洗剤を使うことが効果的なことは周知の事実でありますが、お掃除を生業としている人達は、性質の違う洗剤を汚れに合わせて使い分けます。

 このページでは、酸性・中性・アルカリ性、塩素系、その他いわゆるエコ洗剤というキーワードから洗剤の違いを解説してみようと思います。

洗剤の性質の違い

 酸性・中性・アルカリ性という言葉は、おそらく一度は耳にしたことのある言葉なのではないでしょうか。小学校の頃、紫キャベツを使った実験などした覚えは…ありませんかね?

 そして酸性・アルカリ性には強弱があります。性質は純粋な水を中心に測定され、pH値(ペーハーち/ピーエッチなどと呼びます)という数値で表現されます。

 pH値が酸性側・アルカリ性側に強ければ強い程、物質を分解する性質が高まります。ただ…同時に皮膚なども傷めたりするので危険なんです。

 一番強い酸性の水溶液では「塩酸」や「硫酸」などがあげられます。鉄なんかも簡単に溶かすアレです。危険具合が少しは伝わるかと思います。

 そんな危険な性質を少しだけ酸性側、少しだけアルカリ性側に寄せることで一般の家庭用の洗剤は汚れを落とすように作られています。性質をまとめると以下のようになります。

酸性 pH値 / 3.0未満
弱酸性 pH値 / 3.0以上 6.0未満
中性 pH値 / 6.0以上 8.0以下(7.0が純水になります)
弱アルカリ性 pH値 / 8.0以上 11.0以下
アルカリ性 pH値 / 11.0以上


 汚れを落とそうとすると酸性・アルカリ性の性質を強める方向に行こうとすることになりますが、そうなってくると素材・人体も傷める結果になってしまいます。

 汚れは落としつつ、素材は傷めない、そのようなちょうどいい数値で洗浄することが(プロは特に)理想となってくるわけです。

汚れを落とすための使い分け

 酸性洗剤は主に水垢などを落とすのに用いられます。お風呂の水垢などは酸性洗剤で落とします。またアルカリ性洗剤は主に油汚れを落とすために使います。

 そしてお掃除業者は、それらを汚れ具合に合わせて、濃度を調整して使います。

 一般的なご家庭で使われている台所用洗剤はほとんどが中性洗剤です。台所で油汚れを落とすなら、アルカリ性洗剤がよいのでは?という話になりますが、人間には個体差があって、皮膚が強くて手が荒れない人、簡単に手が荒れてしまう人、色々な方がいらっしゃいます。

 一般的に広く販売するとしたら、やはり手荒れする人をなるべく出さないようにするものを製造しなくてはなりません。そのような理由から一般的な洗剤としては中性洗剤が広く販売されているのです(界面活性剤入りの物が多いので危険という説もありますが…)。

その他の洗剤

 酸性・アルカリ性以外の洗剤では塩素系漂白剤があります。有名どころではカビキラーなんかがこれに該当します。

 こちらの主な用途は殺菌と漂白。次亜塩素酸ナトリウムを主成分にしたこの洗剤、使用にあたっては十分な注意が必要で酸性タイプのものと混ぜると有毒ガスが発生し、大変危険です!使用する際は絶対に混ぜないようにしなくてはなりません。

 こうやって書くと危険極まりない塩素系洗剤ですが、殺菌効果が高いのでカビ、雑菌の撲滅に効果大、色素が染み込んでしまった部分の色を落とすのにも使います。

エコ洗剤って?

 昔は物を洗うのには石鹸を使っていました。戦後の高度経済成長期に洗濯機、合成洗剤などが普及し出して自然環境に悪影響をきたし、合成洗剤が問題になったこともありました。

 問題になった成分など(リンなど)は使われなくなり、合成洗剤も改善されていったのですが、やはりそこは化学物質。色々な意味で環境・人体への影響が気になります。

 その後、エコブーム、オーガニックムーブメントの時代を迎え、ヤシの実オイル、オレンジオイル、松から抽出したトールオイルなどを主成分とした天然洗剤が発売されるようになりました。

 合成洗剤と比べて洗浄力は落ちる場合が多いですが、手荒れが少なく、地球環境にも優しいということで人気です。

 注意点としては「エコ洗剤」と銘打っていても実は界面活性剤がたくさん入っていたりするものもあるということでしょうか。一口に界面活性剤といっても自然の中で分解されやすい界面活性剤もあったりで、本当に心配な場合は調べる必要がありますね。

 当店でも汚れや状況に合わせてエコ洗剤も使用します。

まとめ

 使い方を間違えると危険な洗剤ですが(プロ仕様の物は特に)汚れや状況を見極めて、正しい使い方をして汚れを落とすことがプロのハウスクリーニングなのかな、と思います。

 エコ洗剤至上主義のような方もいらっしゃるかもしれませんが、化学物質も無論、危険性はありますが、カビだらけのエアコンの風にあたる方がよほど人体への悪影響はあると思いますし、汚れを落とすことが出来てこその洗剤ではないでしょうか。

 今のご時世、入手しようと思えばお掃除のプロが使う、業務用の洗剤もラクに手に入る時代です。ただし扱いに注意しないと手が荒れたり、最悪の場合、有毒ガスが発生し、大変危険です。

 正しい知識がないままに、よく落ちるからというだけで強力な洗剤を使うのは非常にリスクが伴いますので使う場合は、必ず説明書などに書いてある注意点をよく読んで使いましょう。

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