ウミネコの被害から守るために屋上緑化部分にネットを張る

　ここ数年、本当にここ数年から出てきたみたいですが「ウミネコの鳴き声が騒がしく眠れない」「糞害による汚損被害が出ている」といった被害報告が江東区に寄せられているみたいです。区の調査によれば、ウミネコ達は何とマンションの屋上緑化部分にコロニー（群体）を作り産卵・繁殖していたとのことでした。

外部リンク

江東区公式ホームページ：ウミネコの被害を防止するために!

https://www.city.koto.lg.jp/380301/machizukuri/sekatsu/undo/uminekohigai.html

　ウミネコは4月の後半くらいから8月頃までが繁殖期だそうで、この季節、本来であれば離島などで繁殖をするそうです。それもどうやら切り立った崖や断崖絶壁の上にある見晴らしのいい草っぱら（草原というほどの広さではなく）のような場所がキツネなどの天敵もいなく、格好の営巣場所とのこと。

　…こうして条件を並べると、都内マンションの屋上緑化部分というのは、まさに条件を満たしていると言えます。

　今回ご依頼いただいた江東区内のマンションも同様に屋上緑化部分にウミネコが定住してしまったとのことでした。ウミネコ対策として、屋上緑化部分に防鳥ネットを張ってほしいということで、現地にお伺いし作業をさせていただきました。

　実際に定住してしまうと上の写真のように大群で居着いてしまうそうです。集団での鳴き声は騒音レベルで、また早朝から活動を始めるため、繁殖シーズンは眠れないくらい騒がしいとのことでした。

　実は数年前にマンション関係者の方々で防鳥ネットを張ったそうなのですが破れてしまったそうで、今年の繁殖シーズン前に何とかしたいとのことで当店にご依頼くださったそうでした。

　現場の屋上はノーフェンスの15階部分の上です。屋上へのアクセスはハシゴしかない為、3人がかりでネットと資材を縦方向にリレーして運び上げました。言い忘れましたが面積は何と400平米以上もあります。

　まずは最初に古い網を撤去していきます。日当たりが良く、緑化部分には最初に植えられていた植物以外にも雑草類が生い茂っておりました。古い網は紫外線で劣化し、そこに生い茂った草が絡まりついているという状態です。撤去するといっても簡単に剥がせるわけもなく絡みついた雑草ごと、むしり取るように巻き取りながら古い網を取り外しました。

　古い網を撤去するのに、三人がかりで4～5時間はかかりましたでしょうか。朝から始めた作業でしたが、午後になるとにわかに風が強くなってきました。古い網を撤去し終えて、新しい網を張る作業に入ります。

　マンションにもよりますが、今回施行した屋上は造形物が多く、何も考えないで敷き詰めればよいという作業ではありません。マンションによっては屋上緑化部分には何もなかったり、避雷針だけ、ということもございますね。

　避雷針や給水設備、アンテナ設備などがありましたので、緑化部分のみにネットを張るように作業しました。

　結局、一日では終えることが出来ず、次の日の午前中も作業をして全ての緑化部分に防鳥ネットを張り巡らせました。

　ご予算にもよりますが、徹底的にやるなら単管パイプなどでフェンスを組み上げ、その上に防鳥ネットを張る施工や電気柵のようなものを張り巡らせるなどといった対策もございます。ただし個人的にはあまりお金をかけすぎるのもいかがなものかと思います。徹底的にやるとなると施工面積にもよりますが、今回のように400平米越えともなるとざっくり百万円～二百万円程度はかかること間違いなしですで。

　こういった被害はマンションに屋上緑化というものが作られはじめてからなんですかね。地球温暖化の影響とかもあるのかな。ウミネコ達も地球環境の変化に応じて生き抜こうとしております。

　今後作られるマンションは作られる段階から鳥害対策が施されると思いますが、現状で被害を受けているマンションは何らかの対策を講じる必要がございます。

　勿論、ご予算などのご事情もあると思いますので、ご相談しながらベストな対策をご提案できればと思います。