民泊仕様の戸建の残留物を全て撤去

　民泊で使用していた戸建の残留物を全て回収してきました。

　2018年6月に住宅宿泊事業法（民泊新法）が施行されて、民泊としての使用が難しくなったことが理由のようでした。

　オーナー様はご家庭の事情で海外に行かなくてはならなくなったそうで、その間は民泊物件として家を有効活用していたようなのですが、新しく施行された法案で、それも難しくなり、賃貸仕様に切り替えるために家の中を全て空にする必要があったようです。

　今回のご事情では、民泊としての戸建ての活用はベストだったと思います。いつ帰国できるかもわからないし、会社の辞令というものは結構、急に発令されるものです。

　賃貸契約で貸し出していると、貸出人の事情もある為、急に帰国が決まってもすぐに帰れなかったりするわけですよね。

　残念ながら、新法案が施行されたため、今までのような活用方法も出来なくなってしまいました。新法案の後に民泊を続けようとすると、色々と煩雑な手続きが必要なうえ、年間に貸出できる日数なども制限がある為、今までのような旨みのある活用法、というわけにはいかないそうでした。

　そんなことから当店で全ての物を撤去させていただくことになりました。ただし、戸建の大物回収には色々と難点もありまして…

大型家具・家電を吊り下す

　残留ご家財の物量自体は、一般的に頂く遺品整理などのご案件からすると少なかったのですが、今回は戸建てで大型家具・家電がたくさんありました。

　家の中の階段は、建築基準法で定められる芯々の最低値である90cmクラスのものでした。最低と言っても、近年の都内の戸建てはこの芯々最低値での作りが一般的ともいえます。単純に居住空間が増えるんですね。

　そして芯々最低値90㎝というと、幅90㎝以下の物は通せるの？と思ってしまいますが、実際には芯（いわゆる柱など）の上には石膏ボードや内装などが取り付けられる為、実際の幅は80㎝もない場合が殆どです。

　そして、そんなギリギリで大型の物を通すにはリスクが不可避です。今回はさらにコの字階段！恐らく、入れた時は小型クレーン車で全て入れたのではないかと想像されます。

　そんなわけで、階段内、家屋を損傷させてしまう可能性があるものは、全てベランダから吊り下して搬出することにしました。

吊り下すのに絶好のロケーション

　吊り上げ・吊り下ろし作業を行うには、いくつかの条件をクリアしている必要があります。

ベランダ・バルコニーの下に十分なスペースがあること。
作業を阻害する物（カーポートや電線など）がないこと。
ベランダ・バルコニーの手すり部分の強度が十分にあること。
ベランダ・バルコニーに、ある程度のスペースがあること(あまり狭いと厳しいです)。
ベランダ・バルコニーの窓（基本的には掃き出し窓）が対象物を通せること。

　これらの条件は基本的には現地で事前に確認させていただきます。結構、お客様は（失礼ながら）簡単に考えている場合が多くて、お電話だけでのやり取りでは、いざ現場で問題が起きることもございます。

　今回は事前に現地確認の上、条件の殆どをクリアしていたため、問題なく吊り下ろしが行えそうでした。

吊り下ろし作業で搬出したもの

　今回吊り下ろし作業にて搬出したものは以下の物でした。

戸建３階部分から

脚付きシングルベッド × 3
バニティデスク（化粧台）
中型のタンス

戸建２階部分から

大型冷蔵庫(質量100キロクラス）
縦型洗濯機（ファミリーサイズ）
3人掛けソファー
テレビボード
ダイニングデスク

　これらを全て吊り下ろし作業にて一つ一つ、家の中から出していきます。吊り上げ・搬入する場合は未知数な部分が多く、やってみないと分からないこともあるのですが、吊り下ろし・搬出の場合は、出し入れする導線が物理的に変わってしまったということがなければ、問題なく出せるはずなので、その点は吊り上げ・搬入より難易度が下がります。

　まれに、搬入後に導線部分をリフォームしてしまった場合や、カーポートを後付けしてしまったなど、物理的に不可能になってしまうケースも過去にありました。

　そうなってくると吊り下しての搬出は不可能となる為、また別の方法にて搬出が必要になります。