嬉しいかどうかは別にして凄い偶然という出来事に遭遇することがございます。

今日の午後のご依頼内容は、ちょっと珍しいタイプのネジの取り外し作業でした。事前のお見積もり時にいただいたお写真では過去に1本こっきりでしたが抜いたことはあるものだったのでお引き受けし、現場に向かった次第です。

いただいたお伺い先のご住所は江戸川。午前のお仕事が終わり、カーナビ様のご案内に従って現地に向かいます。

「そういえば前のご依頼も江戸川区だったなー」

抜けなくなってしまったネジを抜いてほしい、というご依頼は存外に多いものです。その中でも本当に珍しいタイプのネジだったので覚えていたのでしょう。運転をしながら過去の記憶が甦りました。

カーナビ様が目的地に近づいていることをお知らせしてくれます。あたりの風景を見ると以前に来た場所はまさにこんな感じだった気がします。っていうかナビの目的地を見ると、かなり近い気がしてきました。

それでもこの時点ではまだ「あのマンションの近くのマンションかなー。偶然ってあるものだなー」くらいに思っていたのですが…

「…本当に?」

到着したのは何と数年前に同じタイプの珍しいネジを抜きに来たマンションです。こうなってくると偶然というよりか以前ご依頼いただいた方が再度、ご依頼してくださったのかな?という方向に考えが変わります。

マンションの中に入ると鮮明に記憶が戻ってきました。確か前のご依頼は1階だったと。窓から専用庭を眺めながら作業したことを思い出し、今回のご依頼は3階だということを確認します。

「偶然ってあるものだな」

考えてみるとかなりの偶然な気もしますが、一人で仕事をしていると大袈裟なリアクションを取るわけでもなく意識は仕事に戻ります。お部屋にお伺いし、やはり前回ご依頼いただいたお客様とは違うお客様であることを思い出したものの、仕事に徹して素早くネジを取り外しました。

仕事を終えて道中の自動販売機前でドクターペッパー1本分の時間で今日の偶然を振り返りました。結局のところ偶然というものは本人の捉え方次第で偶然になるわけで、例えば外れた宝くじの券にしても「当たり」と「外れ」が存在しているだけで、その番号の宝くじを手にしたということは偶然と言えば偶然なんだよなぁ、なんて考えたものの、飲み終えたドクペの空き缶がゴミ箱に収まるころには意識はすっかり夕ご飯のことに移っておりました。そういえばこの近くに車で行ける業務スーパーがあったな、なんて考えながら。

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