「どこか遠くへ行きたい」

 ゴールデンウィークも目前のこの季節、いつもそんなことを考えながら時が流れていきます。
 かといってお金もないし、加速する物価高の影響もあり、遠くになんてそうそう気軽に行けるものでもありません。

 遠くと言っても今の時代は行きたい場所をGoogleマップで調べたら街の風景から何からなんでも知ることが出来ます。行ってきた人から聞く土産話なんかも、情報化社会のせいでワクワク感が減ってしまうのは何だかなあ、なんですよね。昔は実際に行ってきた人からしか聞けなかった現地のリアルなお話も今は色々なところで見聞きできますからね。

 実際のところ「こんなとこに行ってきたで!」という話がしたくて何処かに行く人も多いのではないでしょうか。

 最近は〝便利さ〟と〝楽しさ〟は必ずしもセットではないなぁ、とか考えます。

 さて今回は殆ど空き家状態の家の中から、とある重要書類を探し出してほしいというご依頼でした。

 お部屋に存在することは確実なのですが、諸般の事情でどこにあるのか分からなくなってしまったとのことで詳しくはかけないのですが、この書類がないと物凄く煩雑な事務処理を行わないとならない、という物だそうです。

 実は事前にご家族総出で捜索を行ったそうなのですが、発見できなかったそうでした。そういった経緯で当店にご依頼をいただいた、という感じです。

 こういったご依頼の一番のポイントはそもそも本当に対象物があるのか?ということになります。

 実際のところ(失礼ながら)お客様の勘違いであったり、あるいは何らかの事情で間違えて処分されてしまっていた、という可能性もあるのです。ただし当方の経験と感覚では「ないかもしれない」と思いながら探すと捜索の手が緩まってしまうので発見できる可能性が下がるような気がします。そのような理由から、あるかどうかも分からない場合でも「必ずどこかにある!」と自己暗示をかけて今回も作業を行いました。

 そんなイニシエーションをドアの前で行ってから、事前にお借りした鍵で扉のロックを開錠し、お部屋の中に入ります。

 単身捜索すること3時間…目的の書類を無事に発見することが出来ました。

 お客様に報告したところ、とても喜んでいただくと同時に、無事に発見されたことに驚嘆されました。ご家族でかなり探しても見つからなかった物が単身、それも3時間程度で発見されたことに対しての驚きのようでした。

 自分で言うのも何ですが、相当数のお部屋を全て片付けるという経験をすると、なんとなーく「大事な物はこのあたりにあるかな」という感覚が身につきます。

 その感覚とともに今回は「書類は3年ほど前の物」といったヒントをもとに目星をつけながらポイントを捜索して言った感じです。

 実は見つからなかったらどうしよう、とかご相談いただいた時には考えていたものですが、無事に発見出来て良かったです。

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